食のあり方

老化を遅らせ、寿命を延ばす遺伝子「サーチュイン遺伝子」という遺伝子があります。

これは何も特別な人だけがもっているものではなく、誰もが持っているもの。

上手く働かせれば、平均寿命は100歳を越えるようになるようです。

サーチュイン遺伝子は当初、酵母で見つかり、その後、ハエ、ネズミ、サル、ヒトと地球上のほとんどの生物が持っていることがわかってきました。

実際の動物実験では、サーチュイン遺伝子の働きを強めることで、寿命が20〜30%伸びることが確認されたそうです。

長寿や不老不死というのが人類の1つの夢かも知れませんで、

このような研究はとても興味深いものですね。

この遺伝子は、万人が持っていますが、普段は眠っていて働きません。

サーチュイン遺伝子を活性化させるためにはいくつかの条件がそろわないといけないのですが、

その1つに、「カロリー制限」があります。

つまり、空腹状態を保つということ。

必要とされるカロリーの制限を継続的に行うことで、寿命を延ばすことができます。

我々は生きていく上で、食事との関わりはとても重要なことです。

当然ながら、いつでもどんなときでも、美味しいものをお腹いっぱい食べたいと思うかもしれません。

しかしながらそれらは、ある意味、現代病の一種で、自然界の中では通用しないものです。

野生動物が、目の前にご馳走が転がっていても、お腹いっぱいに平らげるということはまずありません。

食欲を必要以上に満たしてしまうと、消化にエネルギーを消費してしまい、運動機能の一時的な低下につながるので、

野生の世界では、逆に狙われてしまい、殺されかねないのです。

常に腹6分または腹7分というのを遺伝子レベルで認識していますので、

自然とサーチュイン遺伝子の発現がしやすいようになっているのかもしれません。

野生 歯科

我々、歯科医師の仕事は、咀嚼機能の低下を向上させるということがあります。

歯が無くて、噛めなかった状態を、入れ歯を入れた、インプラントを入れたことで、以前よりも噛めるようになった。

また、オープンバイト(開口)などで、上手く噛めなかったのが、矯正することで食べられるようになった。

食生活そのものが改善されるようになった。

それは、とても素晴らしいことで、我々も歯科医師としてやりがいを感じるところでもあります。

しかしながら、現代では「食べる」という意義を、我々の方からしっかりと問いかける必要があるのではないかと考えています。

特に訪問歯科診療の現場で常々思うのは、「食べる」=「生きる」ということ。

あらためて、

何を食べたらいいのか?

何を食べるべきか?

そんなことを歯科治療を通じて考えなければいけないなと思っております。

現代の食物はますます軟らかい食べものが増え、固いものを噛む頻度が減ってきました。

しっかりとした硬さのあるものを食べないと、脳内にある記憶を司る、海馬の神経新生に影響が出て、

行動試験でも異常な行動が多く認められるという、実験結果も出ております。

つまりニューロンのネットワークが少なくなるということなんですね。

咀嚼が神経に及ぼす影響がいかに計り知れないか。

食生活の変化により、硬いものを食べるということを怠った結果が大きいのかも知れません。

我々の先祖は、火を使えない、何も使えないときに、硬いもの以外は食べものはない訳ですから、

例えば、果物だけ食べている動物は、硬いものを食べているものよりも寿命が短かったようです。

冒頭のサーチュイン遺伝子の発現要因に通じることですが、

咀嚼においては、できるだけ硬いものを食べる。

できるだけ薄味にする。

できるだけ無駄なカロリーを取らない。

薄味にすることで、うま味がわかりますからね!

つまりうま味を高めるということが、長寿遺伝子の発現を促進することにもなる訳です。

咀嚼力の低下をいかに向上させるかも大切ですが、

このような、食生活の意義を伝えることが、我々歯科医師の本来の使命ではなかろうかと思います。

濃い味を好む方の傾向は、メタボの方が多いですから、

ご注意下さいね〜